消費税

Googleやamazon、itunesの消費税処理に改正 ~「電気通信利用役務の提供」の消費税の取扱い~

こんにちは。渋谷の税理士 吉田です。

所得税の確定申告真っ只中ですね。
ブログの更新タイミングを逃してしまいました。

今日は、先日お客様より質問があった消費税の改正点についてです。

「電気通信利用役務の提供」の改正

電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」といいます。

平成27年10月1日以後に行われる取引から適用されます。

1)「電気通信利用役務の提供」に該当する取引の具体例

インターネット等を介して行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウェア(ゲームなどの様々なアプリケーションを含む。)の配信
顧客に、クラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス
顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
インターネット等を通じた広告の配信・掲載
インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(商品の掲載料金等)
インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの)
インターネットを介して行う英会話教室

2)「電気通信利用役務の提供」に該当しない取引の具体例

電話、FAX、電報、データ伝送、インターネット回線の利用など、他者間の情報伝達を単に媒介するもの(いわゆる通信)
ソフトウェアの制作等
※著作物の制作を国外事業者に依頼し、その成果物の受領や制作過程の指示をインターネット等を介して行う場合があるが、その取引も著作物の制作という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものであるため、「電気通信利用役務の提供」に該当しない。
国外に所在する資産の管理・運用等(ネットバンキングを含む。)
※資産の運用、資金の移動等の指示、状況、結果報告等について、インターネット等を介して連絡が行われたとしても、資産の管理・運用等という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものであるため、「電気通信利用役務の提供」に該当しない。ただし、クラウド上の資産運用ソフトウェアの利用料金などを別途受領している場合には、その部分は「電気通信利用役務の提供」に該当する。
国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等
※訴訟の状況報告、それに伴う指示等について、インターネット等を介して行われたとしても、その役務の提供は、国外における訴訟遂行という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものであるため、「電気通信利用役務の提供」に該当しない。

課税関係改正のまとめ

役務の提供を受ける者の住所地等で判定することになりました。

また、仕入税額控除については以下のようになります。
リバースチャージ方式については、下に書きます。

用語

事業者向け
電気通信利用役務の提供
役務の性質または当該役務の提供にかかる取引条件などから、当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られているもの
【例】インターネット上での広告の配信、ゲームをはじめとするアプリケーションソフトをインターネット上のWebサイトで販売する場所を提供するサービス、など
消費者向け
電気通信利用役務の提供
電気通信利用役務の提供のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の役務の提供をいう。
【例】電子書籍、音楽・映像の配信等
登録国外事業者  国外事業者が提供する「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、 当該役務の提供を受けた 国内 事業者の仕入税額控除が制限されますが、 登録国外事業者から提供を受けるもの につ いては 仕入税額控除の対象となります。
したがって、国外事業者が、国内事業者における仕入税額控除の対象とされる「消費者向け電気通信利用役務の提供」を行うためには、当該国外事業者は、登録国外事業者となっておく必要があります。

 

「リバースチャージ方式」とは・・・

概要

国外事業者が行う「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「広告の配信」等)については、役務提供を受ける国内事業者が申告納税しなくてはならなくなりました。

これを「リバースチャージ方式」といいます。

ですが、その課税期間の課税売上割合が95%以上だったり、簡易課税の適用をうけている場合は、「特定課税仕入れ」はなかったものとして取り扱います。

「特定課税仕入」とは、国内において国外事業者から受けた「電気通信利用役務の提供」をいいます。

表の右側の「リバースチャージ方式」以外のものであれば、仕入税額控除は当分の間出来ませんが、登録国外事業者(Googleやamazon、楽天koboなど)から受ける「音楽配信」や「電子書籍」サービスについては仕入税額控除が出来ます。

会計ソフトでの消費税区分

1.「登録国外事業者」の「音楽配信」や「電子書籍」サービスは、「課税仕入れ」で処理する。

2.「リバースチャージ方式」に該当するものがある場合

「課税売上割合:95%以上」
または「簡易課税を適用」
「対象外」または「不課税」で処理
上記以外 「リバースチャージ方式」で処理する

※会計ソフトで補助科目を設定できる場合は、該当取引を区分しておくことをオススメします。(95%以上になるかどうか微妙なときや、修正申告などが起こった場合に備えて)