こんにちは 渋谷の税理士 吉田です。
2019年10月より消費税の増税がついに確定しましたね。あと1年です。
これによって小売店など対応に追われていくことになると思いますが、我々税理士業界も複雑な処理に対応すべく日々勉強をしているところです。
また、その4年後(2023年10月~)には日本版インボイス制度を導入することになります。
この制度により、現在免税事業者でも課税事業者を選択する方も出てくるかもしれません。
今回は、軽減税率についてまとめてみました。
軽減税率とは?
2019年10月1日から、消費税が8%から10%に引き上げられると同時に、消費税の軽減税率が実施されます。
これは、10%への税率引き上げに伴う低所得者への配慮の観点から、「酒類を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に消費税の軽減税率が実施されます。
軽減税率の対象は?
国税庁のホームページに30年7月に発行された最新のリーフレットが載っており、その中で、軽減税率の対象となる飲食料品は、以下のようになります。
軽減税税率の対象となる飲食料品とは?
消費税法でいう飲食料品は、食品表示法に規定する食品で酒類を除いたものです。
単純に食べられるものという考え方ではなく、人の飲用または食用とされる物で、酒類を除くほか、外食・ケータリングなどの外食関係も除かれます。
ですから、ペットフードはもちろんのこと、家畜などの餌である穀物なども軽減税率の対象外です。
水は・・・?
さて、人が生きていくために必要な水ですが、結論から申しますと、水道水→10%、ミネラルウォーター→8%ということです。
イマイチ低所得者に対する配慮という観点から納得ができませんが、水道水は人の飲料のみの使用ではなく風呂やトイレなどその他の用途にも使用ができ、ミネラルウォーターは人の飲料用と用途が水道水より限定しやすいということからでしょうか。
お酒は?
酒税法に規定する「酒類」は、軽減税率の対象となる「食品」から除かれるため軽減税率の対象にはなりません。
ただし、酒税法の適用対象となるみりんや料理酒は軽減税率の対象外で10%となります。アルコール度数が1%未満のみりん風調味料は飲食料品に該当するので8%で軽減税率対象です。
ノンアルコールビールは、アルコール度数が1%未満なので もちろん8%で軽減税率の対象です。
アルコール度数が1%未満であれば軽減税率対象です。なかなか酔わないですけど・・・。
外食はどういう感じになるの?
外食は飲食設備(テーブル、椅子、カウンター等)がある場所で飲食料品を飲食させるサービスについては軽減税率の対象にはなりません。
しかし、持ち帰りとイートインが選択できる店舗では、商品購入の際にイートインを選択すると外食扱いになり10%になります。
屋台などで、飲食用のテーブルなどがある場合には10%となりますが、テーブルがなかったり飲食用のテーブルではなく公園などの公共のベンチなどを客が勝手に使う分には8%となるようです。
また、列車内では食堂は10%に対してワゴン販売で自分の座席で食べるものについては8%です。
外食については、すべて10%ではなく個々の取引形態で判断していくことになります。
出前や宅配などは、軽減税率の対象なので8%です。
たった2%のことですが、同じものを食べれるならレストランより出前、宅配になりそうですよね。
蕎麦屋、らーめん屋も店で食べたら10%ですが、出前なら8%です。
その他、自動販売機で販売→8%、輸入される食料品→8%です。
医薬品は?
医薬品・医薬部外品は対象外なので10%ですが、医薬品や医薬部外品に該当しない栄養ドリンクは「食品」になるので軽減税率の対象で8%だそうです。(すごくややこしいですね。)
8%(清涼飲料水)・・・オロナミンCなど
10%(指定医薬部外品)・・・アリナミンV、リポビタンDなど
有料老人ホームや学校の給食
有料老人ホームや小中学校などで提供される食事(以下「給食」という)で、生徒や入居者(以下「入居者等」という)の求めに応じて提供する食事についは、少し細かい決まりがあります。
施設の運営者から入居者等へ提供される給食は、同じ日・同じ人について、1食あたり640円(税抜)以下で累計1,920円に達するまでが軽減税率の対象で8%になります。
上記で面白いのが、間食も提供される給食となり累計額に含めることと、あらかじめ書面で累計額には朝昼夕食だけを含めますとしていれば、間食が10%となるというところです。
新聞は?
軽減税率の対象となる「新聞」は、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発刊される新聞の定期購読契約に基づくものを言います。
ということは、通常週2回以上発刊予定のもので定期的に継続して新聞を取っている場合が8%で軽減税率の対象です。要件を満たせば、英字新聞でもスポーツ新聞でもOKです。
コンビニ、キオスクなどで購入した場合は、定期購読契約じゃないので対象外の10%です。
また、紙ではない日経電子版などのインターネットを通じて配信する電子版の新聞も「電子通信利用役務の提供」に該当するということで対象外の10%です。
(紙と同じ内容でも、提供の方法が違うだけで対象にならないというのは?と思いますが・・・)
最後に・・・
いろいろと軽減税率の対象になるもの、ならないもので複雑な部分が出てきていますが、これらの事業者側の対応についても該当する業種は設備投資等が必要になってくると思います。
次回は、お店・事業者として知っておくべきこと、対応について書きたいと思います。
参考になれば幸いです。