今日は、あいにくの雨、東京は梅雨入りでした。
こんにちは。渋谷の税理士 吉田です。
今日、明日と社会福祉法人についての研修です。
社会福祉法人制度改革(税理士関与について)
仕事としては、今すぐに必要な知識ではないのですが、一般の会社とは少し違ったところがあり、いい勉強になります。
税理士としてどのような形で関与できるかというと、2パターン考えられます。
1.社会福祉法人の監事となる
監事は、計算書類等の監査を行うため、財務管理について知識を持っている人が識見を有するものが含まれなければならないとされています。
つまり、会計の専門家である会計士や税理士が監事になるのが望ましいです。
ただし、顧問税理士の立場の税理士は基本的には監事になることはできません。
2.財務会計に関する支援をする
社会福祉法人は所轄庁から 通常3年に1回 の指導監査があります。
会計士や税理士が関与することによって、その3年を4年又は5年に延長することができますので、事務負担を大幅に軽減させることができます。
5年に延長パターン
一定規模の社会福祉法人は会計監査が義務付けられています。
これらの法人が会計監査人を置いたり、会計士又は監査法人による監査を受ける場合には、通常3年というのが5年に1回に延長され、さらに指導監査項目から会計管理に関する監査事項が省略されます。
会計監査は公認会計士の仕事ですので税理士は関与できません。また、会計監査を行う会計士や監査法人は、その社会福祉法人の記帳代行や申告業務を行うことができません。
そうなると会計監査に耐えられる財務や経理の運営状態を作るのは、顧問税理士等が行うべきものとなります。
そのなかでも、会計ソフトに会計基準に従った入力を行ったり、入力が正しく行われているかのチェックしたり、計算書類等を正しく作成したりという業務は、税理士が一番得意としているところですし。
4年に延長パターン
上記の会計監査の義務のない法人であっても、財務会計に関する事務処理体制について税理士等による支援を受けている場合には、所轄庁による指導監査が3年から4年に1回に延長され、指導監査項目から会計監査項目が省略されることになります。
社会福祉法人では、通常の事業会社に比べ準備しておく附属書類が多いように見受けられます。
拠点別、サービス別、確定申告用など様々な状況に合わせての書類を用意しないといけないため作成に多くの時間を要することになります。
その基本となる会計情報の入力・確認というのは会計専門家に任せるほうがいいでしょう。
社会福祉法人の税務
社会福祉法人は基本的には公益的な仕事(国が行うような仕事)をしています。
公益的な仕事は、法人税では非課税、消費税も一定のものが非課税になります。
その他に土地や建物の貸付けなどを行っている場合は、それらは収益事業となって法人税が課税されるため、法人税の申告が必要になります。
消費税は少々ややこしく、受験時代は「国等」と読んでいた消費税額控除の特例計算をします。
一般的な「サービス提供」には消費税が課税されるものですが、健康保険法や介護保険法などの法律に規定される一部のサービスは例外的に非課税とされています。
法人税では非課税でも消費税では課税などということもあるため専門家による判断が必要です。
利益が出ていなくても、消費税の納付が必要になるケースもあります。
ちなみに簡易課税にすると大幅に納税額が減るケースがあるので検討の余地があります。
最後に
今回の研修受講により「社会福祉法人対応会員名簿」へ登録されることとなります。
これは、税理士会から社会福祉法人に税理士を紹介したり、法人から業務依頼があるときに紹介を受けたりすることを了承するものです。
もちろんすぐに依頼があるとはおもっていませんが、社会福祉法人の支援等ができるということは、結構世の中のためになること(自分の軸となる考え方)だと思っているので、紹介や依頼があれば積極的に関わっていきたいですね。
ちなみに冒頭で大雨と書きましたが、アイキャッチ画像(晴れている)は二日目の税理士会館です。