法人税

外形標準課税 ~所得拡大税制の適用を考える~

こんにちは。渋谷の税理士 吉田です。

先日、申告書の作成依頼を受けたのですが、

「事業税の申告をしたが、計算が間に合わず所得拡大税制の適用を受けなかった。その後、法人税の申告(1月延長)時に計算が完了したので事業税について更正の請求がしたい」

という内容でした。

今回の話は、事業年度がH27年4月~H30 年3月までに開始する各事業年度の話になります。

法人税では所得拡大税制の適用を受けるためには当初申告要件があります。

当初申告要件とは、

初めの申告時(期限内申告、期限後申告等)に制度の適用を受ける手続き(意思表示)をしないと、その後の調査等での修正申告で追加的に受けることは出来ない、というものです。

この当初申告要件は、「試験研究費の税額控除」や「中小企業者等が機械等を取得した場合の税額控除」などの適用を受けるためにも必要です。

今回は、法人税の話ではなく地方税の話です。

なんと、地方税では所得拡大税制の適用には当初申告要件がいらないということで、いつでも(期限はあるけど)適用することが出来るということがわかりました。

地方税での所得拡大税制の適用について

県民税、市民税

県民税・市民税の計算は、

県民税・市民税=法人税額×税額

ここで使う法人税額は、

 中小法人:所得拡大税制適用後の金額

 中小以外:所得拡大税制適用前の金額

中小以外の法人では適用されませんが、事業税での適用が出来ます。

事業税

事業税では、大法人に適用される外形標準課税の計算時に付加価値割から控除することが出来ます。

雇用安定控除額がない法人

雇用安定控除がある法人

労働者派遣事業を行う法人

以前に労働者派遣の会社の申告等を担当したことがあるのですが、給与等の集計が大変そうでした。

最新の所得拡大税制は、計算が以前に比べて簡便的になっていますので作業も大幅に軽減されてくるのではないでしょうか。