事業承継

平成31年度税制改正についての研修 ~文京シビックホールにて~

こんにちは。渋谷の税理士 吉田です。

今日は、税理士会の研修に行ってきました。
8月までに目標とされている36時間の研修時間をクリアしようと詰め込んでいます。

5月14日現在 16時間。ようやく半分に到達しそうです。

今日の研修は、午前と午後の二部構成でしたが、午前中のテーマの資産税部分について情報共有します。

平成31年度税制改正

このテーマは何回か聞いていいるのでだいぶ頭に入っていますが、事業承継税制のあたりが用語の定義など複雑で頭に入りにくいです。

個人の事業承継税制

法人の事業承継税制に続き、個人事業者の事業承継税制(納税猶予制度)が創設されました。

事業用資産を相続・贈与により取得した場合の納税について、10年間の時限措置・担保提供を条件に相続税・贈与税が納税猶予されます。

ただし、事業用と言ってもアパートなどの不動産貸付業は除かれます。

相続した事業用資産を売却したり、それらを現物出資して法人成りした場合にも要件を満たせば納税猶予は継続されます。

事業用資産は、被相続人の事業所得にかかる青色申告書の貸借対照表に記載されているものに限ります。

土地建物については面積制限があります。

民法の改正

令和4年4月から成年の年齢が20歳から18歳に引き下げられ、相続税法では、未成年者控除、相続時精算課税、贈与税の税率特例などで影響があります。

成年の年齢の改正によって、20歳→18歳に変わるのは、

一人で有効な契約をすることができる
親権に服することがなくなる

となって、自己責任の開始が早くなりますね。
逆に女性の婚姻開始年齢が16歳→18歳になり、男性と同様となります。

配偶者居住権の評価方法

「配偶者居住権」とは、配偶者が居住していた被相続人所有の建物について、遺産分割等によって配偶者が終身または一定期間その建物に居住することができる権利です。

相続時に、配偶者以外の相続人がいる場合、遺産のうち他の相続人に帰属する遺留分について請求をされることがあります。

遺産の中に配偶者が今後居住していかなければならない家屋がある場合、これについても請求される可能性があり、最悪の場合、自宅を売却して支払わなければならなくなるケースも考えられます。

これらを防止するために作られた権利です。

権利を守るために登記の必要があり、登録免許税が課税されます。

特別寄与料

これは、相続人以外の親族が、被相続人の療養看護などをしていた場合に、相続人に対してそれらの労務の対価を請求することができる制度です。

特別寄与料は、被相続人から遺贈により取得されたとみなされ、相続税の課税対象になります。(支払った相続人の課税価額から控除します)

もらった親族が被相続人の一親等の血族以外の場合は、相続税額が2割加算されます。

法人税の改正点で気になったところ

中小法人向けの租税特別措置関係の適用が出来ない適用除外事業者について、平成31年4月以降開始事業年度から考える必要があります。

別表4の一番下の所得金額について、前3事業年度の平均が年15億円を超える法人は、法人税の軽減税率や研究開発税制、少額減価償却資産の特例などで制限があるので注意していかなくてはなりません。

ただ、適用除外事業者でも本法に規定されている、交際費の800万円までの損金算入や欠損金の繰戻し還付などはできるようです。