資金繰り対策・資金調達

新型コロナウィルス関連の経済産業省の支援策

こんにちは。渋谷の税理士 吉田です。

最近は、どこもかしこも新型コロナウィルスの話で持ちきりですね。

確定申告の期限も延長になり、こんなに騒がれるとは想像できませんでした。

感染力が強いので、イベントや外食を控える人が多いですね。

イベント会社や飲食店、旅行会社など売上があがらず、資金繰りに影響が出てきているはずです。

今回は、新型コロナウィルス関連の経済産業省の支援策(令和2年3月11日10:00時点版)をご紹介します。

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資金繰り関連

SN(セーフティネット)保証4号・5号

こちらは、経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証とは別枠(最大2.8億円)で借入債務を保証してくれる制度です。

手続きは、本店等所在地の市区町村に認定申請を行い、その後、希望の金融機関や信用保証協会に認定書を持参して、保証付きの融資を申し込みます。

SN4号 全都道府県を対象に指定。
借入債務の100%を保証。
※売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合
SN5号 宿泊業、飲食業など192業種が対象。(指定業種追加業種
借入債務の80%を保証。
※売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合

セーフティネット貸付の要件緩和

日本政策金融公庫が行う、社会的・経済的環境の変化などの外的要因により、一時的に売上の減少など業況悪化を来しているが、中期的には、その業績が回復し、かつ発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援する融資制度。

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置
2月14日(金)より、セーフティネット貸付の要件を緩和し、「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象に。

資金の使いみち 運転資金、設備資金
融資限度額 中小事業7.2億円、国民事業4,800万円
貸付期間 設備資金15年以内、運転資金8年以内
据置期間 3年以内
金利 基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%
※令和2年3月2日時点、貸付期間・担保の有無等により変動

中小事業、国民事業とは ↓

中小事業 主に中小企業・小規模事業者が対象
国民事業 主に小規模事業者や創業企業が対象

無利子・無担保融資

新型コロナウィルス感染症特別貸付及び特別利子補給制度を併用することで実質的な無利子化を実現。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫等が、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者(フリーランスを含む)に対し、融資枠別枠の制度を創設。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げを実施。

融資対象

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時的な業況悪化を来たし、次のいずれかに該当する方

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した方
業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合は、
 最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している方
 a 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高
 b 令和元年12月の売上高
 c 令和元年10月~12月の売上高平均額

融資限度額
(別枠)
中小事業3億円、国民事業6000万円
資金の使いみち 運転資金、設備資金
担保 無担保
貸付期間 設備20年以内、運転15年以内(うち
据置期間 5年以内
金利

当初3年間基準金利▲0.9%、4年目以降基準金利

中小事業1.11%→0.21%、国民事業1.36%→0.46%
(利下げ限度額:中小事業1億円、国民事業3000万円)
※令和2年3月2日時点、信用力や担保の有無にかかわらず利率は一律

特別利子補給制度

日本政策金融公庫等の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により貸付を行った中小企業者等のうち、特に影響の大きいフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者などに対して、利子補給を行うことで資金繰り支援を実施。

適用対象

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により借入を行った中小企業者のうち、以下の要件を満たす方

①個人事業主(フリーランス含み、小規模に限る):要件なし
②小規模事業者(法人事業者):売上高▲15%減少
③中小企業者(上記➀➁を除く事業者):売上高▲20%減少

※小規模要件
・製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下
・卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下

期間 借入後当初3年間
補給対象上限 中小事業1億円、国民事業3000万円

マル経融資の金利引き下げ
(新型コロナウイルス対策マル経)

新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した小規模事業者の資金繰りを支援するため、別枠1,000万円の範囲内で当初3年間、通常の貸付金利から▲0.9%引下げする。加えて、据置期間を運転資金で3年以内、設備資金で4年以内に延長する。

対象者 最近1か月の売上高が、前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者の方
資金の使いみち 運転資金、設備資金
融資限度額 別枠1,000万円
金利 経営改善利率1.21%(令和2年3月10日時点)より当初3年間、
▲0.9%引下げ

マル経融資とは・・・
小規模事業者経営改善資金融資(通称:マル経)は、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行う制度。

衛生環境激変対策特別貸付

日本政策金融公庫 国民生活事業の特別貸付制度で、感染症等の発生による衛生環境の著しい変化に起因して、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来している生活衛生関係営業者の経営の安定を図るために設けられた。

対象者

新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来している旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方であって、次のいずれにも該当する方

①最近1ヵ月間の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少しており、かつ、今後も減少が見込まれること。
②中長期的に業況が回復し発展することが見込まれること。

資金の使いみち 運転資金
融資限度額 別枠1,000万円(旅館業は別枠3,000万円)
金利

基準金利:1.91%
ただし、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、基準金利-0.9%
※令和2年3月2日時点、貸付期間・担保の有無等により変動

貸付期間 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)

さらなる金融支援

危機対応業務

商工中金及び日本政策投資銀行を通じて、大企業・中堅企業・中小企業への資金繰り支援を実施。
【制度概要】※商工中金による危機対応業務の内容は、詳細が固まり次第公表予定。

危機関連保証

全国の中小企業・小規模事業者の資金繰りが逼迫していることを踏まえ、全国・全業種※の事業者を対象に「危機関連保証」(100%保証)として、売上高が前年同月比▲15%以上減少する中小企業・小規模事業者に対して、更なる別枠(2.8億円)を措置。

生産性革命推進事業

生産性革命推進事業(令和元年度補正予算3,600億円)において、新型コロナウイルス感染症による影響を受け、サプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資や販路開拓、事業継続力強化に資するテレワークツールの導入に取り組む事業者を優先的に支援しています。

①ものづくり・商業・サービス補助

新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資等を支援。
3月10日より公募開始。

対象者 中小企業・小規模事業者等
補助上限 原則1,000万円
補助率 中小1/2小規模2/3

 

想定される活用例

部品の調達が困難となり、自社で部品の内製化を図るために設備投資を行う
感染症の影響を受けている取引先から新たな部品供給要請を受けて、生産ラインを新設・増強する
中国の自社工場が操業停止し、国内に拠点を移転する

 

今後のスケジュール

公募開始 令和2年3月10日(火)17時~
電子申請受付 令和2年3月26日(木)17時~
応募締切 令和2年3月31日(火)17時(1次締切)

※1次締切後も申請受付を継続し、令和2年度内には令和2年5月(2次)、8月(3次)、11月(4次)、令和3年2月(5次)に締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行います。(予定は変更する場合がございます。)

②持続化補助

小規模事業者の販路開拓等のための取組を支援。
3月10日より公募開始。

対象者 小規模事業者 等
補助額 ~50万円
補助率 2/3

 

想定される活用例

小売店が、インバウンド需要の減少を踏まえ、店舗販売の縮小を補うべく、インターネット販売を強化する等、ビジネスモデル転換を図る
旅館が、自動受付機を導入し、省人化する

 

今後のスケジュール

公募開始 令和2年3月10日(火)18時~
電子申請受付 準備中
応募締切 令和2年3月31日(火)当日消印有効(1次締切)

※1次締切後も申請受付を継続し、令和2年度内には令和2年6月(2次)、10月(3次)、2月(4次)に締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行います。(予定は変更する場合がございます。)

③IT導入補助

事業継続性確保の観点から、ITツール導入による業務効率化等を支援。
3月13日より公募開始。

対象者 中小企業・小規模事業者等
補助額 30~450万円
補助率 1/2

想定される活用例

在宅勤務制度を新たに導入するため、業務効率化ツールと共にテレワークツールを導入する

 

今後のスケジュール

公募開始 令和2年3月13日(金)15時~
電子申請受付 令和2年3月13日(金)15時~
応募締切 令和2年3月31日(火)17時(臨時分:1次締切)

※令和2年度内に、令和2年6月、9月、12月に締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、交付決定を行います。(制度内容、予定は変更する場合がございます。)

雇用調整助成金の特例措置

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

【助成内容】

助成率 大企業1/2、中小企業2/3
支給限度日数 1年間で100日(3年間で150日)

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置①
※休業等の初日が令和2年1月24日から7月23日までの場合に適用します。

【特例の対象となる事業者】
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主
※日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給
等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。

【特例措置の内容】

休業等計画届の事後提出が令和2年5月31日まで可能。
生産指標(売上高等10%減)の確認対象期間を3か月から1か月に短縮。
雇用指標(最近3か月の平均値)が対前年比で増加している場合も対象。
事業所設置後、1年未満の事業主も対象。

自治体が緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域
(3/11現時点では、北海道のみ)

、自治体の長が一定期間の緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域(現時点では北海道のみ)の事業主に対しては、特例的に、生産指標が低下したものとみなし、また正規・非正規を問わず対象とした上で、助成率を引上げます。

【助成内容】

助成率 大企業2/3、中小企業4/5
支給限度日数 1年間で100日(3年間で150日)

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置②
※休業等の初日が令和2年1月24日から7月23日までの場合に適用します。

【特例の対象となる事業者】
緊急事態宣言を発出して活動自粛を要請している地域に所在する事業主

【特例措置の内容】

休業等計画届の事後提出が令和2年5月31日まで可能。
生産指標要件(売上高等10%減)は満たしたものとして扱う。
雇用指標(最近3か月の平均値)が対前年比で増加している場合も対象。
事業所設置後、1年未満の事業主も対象。
助成率を大企業2/3、中小企業4/5に引上げ。
非正規も含めた雇用者に対する休業手当が対象。

※下線部分が緊急事態宣言を発出して活動自粛を要請している地域のみで拡充される内容