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平成31年度税制改正 ~中小企業者の判定に使う「大規模法人」の定義が変わります~

こんにちは。しぶやのぜいりし 吉田 です。

今日は、昨日とは打って変わって涼しくなりましたね。寒く感じます。

明日から10連休です。みなさんはどのように過ごすんでしょうか。

私は、最初2日間は税理士仲間とゴルフに行ってきます。先輩方に迷惑かけないようにしないと。

先日、オリンパスホール八王子で行われた研修で平成31年度税制改正について話を聞きました。

試験研究費の税額控除や中小企業等支援税制の延長、法人税の軽減税率の延長などは、あまり頻度が無いのでおいておくとして、税額控除などを受けることができる「中小企業者」を判定する要件が少し厳しくなるのでその話をします。

「中小企業者」とは

中小企業者とは、以下の法人をいいます。

1.資本金又は出資金の額が1億円以下

2.資本金等がない場合は、常時使用する従業員数が1000人以下

3.大規模法人に1/2以上保有されていないこと、また、複数の大規模法人に2/3以上保有されていないこと

中小企業者でなければ受けられない特例

中小企業者は、法人税法などで特例の適用を受けることが出来ます。

1.30万円未満の少額減価償却資産の一括損金算入

2.試験研究費の税額控除(控除額が通常より多い)

3.所得拡大税制の税額控除(控除額が通常より多い)

4.設備投資等した場合の諸々の特別控除、特別償却

5.固定資産税の軽減

6.事業承継した場合の相続税、贈与税、登録免許税、不動産取得税の納付猶予や軽減

法人税率の軽減税率や交際費などの適用を受けることができる中小法人についての判定は、別の方法となります。

「大規模法人」とは

大規模法人とは、以下の法人をいいます。

1.資本金または出資金の額が1億円超

2.資本金等がない場合は、常時使用する従業員数が1000人超

これに、平成31年度改正で以下の要件が追加になりました。

3.大法人との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人

「大法人」とは

「大法人」とは、以下の法人をいいます。

1.資本金または出資金の額が5億円以上

2.相互会社で常時使用する従業員数が1000人超 等

「完全支配関係」とは

完全支配関係とは、今回のケースでは、その法人の発行済株式を直接若しくは間接に100%保有する関係のことをいいます。

こんな感じ↓

判定チャート

判定チャートでは、この様になります。

【改正前】

【改正後】

こんな場合に影響があります

いままで

これから

Cは今までは中小企業者として、例えば30万円未満の少額減価償却資産を一括損金算入してきましたが、中小企業者に該当しなくなるので一括損金算入できなくなります。

まとめ

これからはグループの出資関係図をもとに一番上の親会社まで調べないといけないケースも出てくるかもしれません。

まあ、そんだけ大きかったら中小企業の特例を受けられない可能性のほうが大きいかもしれませんけど。

中小法人の判定と合わせてやるといろいろとややこしいことが多いですが、これを間違えると納税額にも影響が出てきますので、しっかり判定する必要があります。

私は、上記のように判定表をチェックリストに組み込んでいます。